ケアファーム論文

認知症患者がケアファームに参加することによる潜在的な治療効果 3

画像引用元:“zhaw

Ms. Lori La Bey 創設の Alzheimer's Speaks Blog による、
  エイロン・キャスピ博士による認知症患者がケアファームに参加することによる潜在的な治療効果その3です。

   

10. 精神的な需要

ケアファームは、認知症患者の精神的な需要を満たす自然な機会を提供します(ただ存在すること、自然との定期的なつながり、動物の世話、野外での仕事、野菜や果物の栽培や収穫など)。認知症患者の精神的な需要は非常に重要ですが、心理的な幸福のこの不可欠な側面は、地域社会や多くの長期介護施設では見過ごされがちです。

   

11.(緑豊かな)物理的環境

多くの農場は通常の性質をしており、認知症患者に自宅にいるような感覚を与えることができるよう自然に設立されています。また、ケアファームの大部分は「小規模」であり、認知症患者にとって効果的な環境であることが知られています。認知症患者に優しい施設であるためには、物理的環境の他の特性を評価し、対処する必要があります。特に、適切な照明の設置、まぶしさの回避、過度の騒音や(寒すぎたり暑すぎたりする)不適切な屋外や屋内の温度の回避、(圧倒されると感じないような)最適なレベルの刺激、気を散らす雑然さの排除、転倒の原因となる凹凸のある歩行面の削減、(認知症に優しいフォントとコントラストの)明確な看板などを使用して、農場内をうまく歩き回る能力を高めます。

   

12. 強み主義とエンパワーメント志向のアプローチ

認知症患者に特化したケアファームの「普通の生活」の特徴(すなわち非医療的な雰囲気)に加えて、強み主義とエンパワーメント志向のアプローチを組み合わせることで、認知症と共に生きる多くの人が経験する、広範囲で有害なスティグマを減らすのに役立ちます。認知症患者がデイセンターに行くことを拒否したり、従来の介護施設に移ったりするのを何度聞いたことがありますか。

   

13. 家族介護者のための休息

認知症患者がケアファームに定期的に参加することで、家族が切実に必要とする「休暇」を提供することができます。多くの家族は、愛する人の介護や監督という重労働からの休息を、切実に必要としています。患者がケアファームに参加している間、家族はその時間に、休息や充電をし、用事を済ませ、友人と会い、運動や自分が満足する余暇活動を行うことができます。これによって、家族介護者が一般的に経験する孤立感や燃え尽き症候群を緩和し、その人が持っている効果的な介護を提供する能力を強化することができます。

安全性への配慮

認知症患者がケアファームに参加する前に、この脆弱な人々の安全を確保するため、適切な対策と手順を(書面で)策定し、実施する必要があります。かなりの数の認知症患者が(病気の初期段階であっても)制限や重度の認知障害を持っており、危険な状況の判断が不適切であったり、不十分であったりする可能性があります。

潜在的なリスクの例としては、転倒(認知症患者は認知力のある健常者に比べて、転倒のリスクが高い)、(視空間の見当識障害や道順探索の困難さによる)迷子、農場での様々な機器の操作の困難さや不能に起因する怪我、鋭利なものの取り扱いミス、電気機器や農作業用車両への接近などが挙げられます。認知症患者の中には、食べられないもの(汚物や有毒植物など)を食べようとしたり、掃除用やその他の有毒な液体を飲もうとしたりする人もいます。また非常に暑い日に、日焼け止めを塗ったりつばの広い帽子を被ったりせずに長時間外で日光を浴びることを主張する人もいます。認知症患者がケアファームに参加する際の潜在的で実際的な安全上のリスクの全容を明らかにするには、研究が必要です。この研究で得られる知識は、認知症に優しく安全なケアファームプログラムの開発と実施に役立つ可能性があります。

認知症に起因するものだけでなく、老化の過程で生じる制限や障害(身体的、機能的、聴覚、視覚、慢性疾患など)を積極的に評価し、特定し、対処して、タイムリーに補償しなければなりません。

このような身体的、認知的な制限や障害について、注意深く日常的に評価し、文書化することが、認知症患者のための安全で認知症フレンドリーなケアファームプログラムを実施する鍵となります。認知症は時間の経過とともに能力や障害が変化するため、評価は継続的に行わなければなりません。重要なのは、評価には、認知症の参加者の残存能力と強みの特定を含める必要があることです。この評価から得られた知見は、ケアファームで個人的に意味のある楽しい活動や作業に認知症患者を参加させることを目的とする取り組みに情報を提供する必要があります。

方針提言

認知症患者へのサービスにおけるこの大きな隔たりは、農場がこの脆弱な人々を対象としたケアファームプログラムの開発と提供することを奨励する、大規模な財政的償還構造やその他のインセンティブの導入で埋めることができるでしょうか。

本稿の情報の一部は、以下の情報源に基づいています。

ブルーイン等(2010年)「認知症の高齢者のためのグリーンケアファームの概念」認知症、9(1)、79-128

ブルーイン等(2009年)「グリーンケアファームにおけるデイケア:地域在住の認知症の高齢者の食事摂取を刺激するための新手法?」栄養・健康・高齢化ジャーナル、14(5)、352-357

ブルーイン等(2009年)「グリーンケアファームは認知症高齢者の活動を促進する」高齢者向け住宅ジャーナル、23、368-389

ハーシンク等(2010年)「オランダのケアファーム:地域社会における魅力的なエンパワーメント志向と強み主義の実践」健康と環境、16、423-430

ハーシンク等(2012年)「オランダのケアファーム:多機能農業の未踏の例―経験に基づいた組織理論主義の類型学に向けて」農村社会学、77(4)、569-600

ショールズおよびファン・デア・シュリーク=ファン・ミール(2006年)「酪農場における認知症の高齢者のデイケア」米国医局長協会誌、7、456-459

※マールテン・フィッシャー氏は、2014年ワシントンD.C.開催のアメリカ老年医学会年次学術集会における本テーマに関するプレゼンテーション中に、この革新的モデルについてさらに学ぶよう鼓舞してくれました。また、モンタナ州で彼が協力している先駆的で先見の明のあるいくつかのケアファームで、有益で感動的なツアーを惜しみなく提供してくれ、上記の研究論文を共有してくれました。さらに、本稿を改善するための有益な意見と提案をしてくれました。氏に特別な感謝の意を表します。

記事引用元:Alzheimer's Speaks Blog

 

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