
英国ポッツドファームにおけるケアファームの取り組みを紹介しています。ファームの利用者(コ・ファーマー)は、精神的に問題を抱える成人(25%)と学習障害のある成人(75%)で構成されています。利用者の自立、自尊心、 自信を高めることで、医療やソーシャルケアの助けを必要としないようにすることを目標に掲げ、様々なアクティビティを提供しています。家畜や植物の世話、収穫した果物などの栽培にとどまらず、利用者の希望に応じて家具の修復や、鳥箱やコウモリ箱を作るなどの木工作業、乗馬体験などの機会も設けています。実はこのファームは、元精神科看護師の2人が設立したものです。当初農業の知識も経験もなかったそうですが、利用者が安心して、ありのままの自分で豊かな生活を送り、新たな生きがいを見出せるような雰囲気づくりに2人の経験が大いに役立っていることがうかがえます。
重要な事実
ポットフォードは30人以上のスタッフを雇用し、1日に約25人の利用者と仕事をしており、多様性に富んだ活気のあるケアファームです。運営者のネイサンとケビンは、農業というよりもメンタルヘルスの分野で活躍してきました。「それが私たちの成功の鍵となっています。常に紹介されてくる利用者がいます」とネイサンは言います。ポストフォードファームは介護農業の実践規範を満たしています。
設立までの流れ
偶然はそれだけではありませんでした。2人がオーナーに手紙を書いたとき、ケアファームに関するアイデアを説明すると、オーナーが大喜びで迎え入れてくれたのです。農家の夫妻は、家族で医療と福祉のバックグラウンドを持っていたことが判明したため、対等なパートナーとしてプロジェクトに参加することになりました。それは今となっては何年も前のことで、実際、彼らは今年で10周年を迎えようとしています。「ケアファームは運命的なものでした。すべてがうまくいったのです。」とネイサンは締めくくりました。
私たちの活動
家畜を扱う以外にも、庭園では、コ・ファーマーが果物や花の栽培に携わり、地元の市場で販売しています。敷地内の納屋では、家具の修復や、鳥箱やコウモリ箱を作るなどの木工作業が行われています。また、隣の乗馬学校で乗馬をすることもでき、将来的にはネイサンとケビンも乗馬をしたいと考えています。ケアファームのスタッフは、サービス利用者をサポートする2つの活動にも参加しています。1つ目はコミュニティサポート会社で、在宅での支援を必要とする人たちを支援しています。
2つ目は、コ・ファーマーの給付金や住宅などの問題を支援することです。「一度私たちに紹介されると、彼らは法的なサービスを受けることができなくなってしまうことが多く、私たち以外に問題を解決してくれる人がいないのです」とネイサンは言います。
課題と実績
私たちについてのコメント
コ・ファーマー
「ポットフォードファームは息子の命を救ってくれました。1年半以上自傷行為をしていませんし、自信もついてきました。息子を返してくれてありがとう。」
親戚
「私は、自信と自尊心を持って人々の問題に取り組む非医療的な介入が不可欠だと強く信じています。農場は、フレンドリーな環境で、人々が安心して社会的な仕事に関連した活動に復帰するための役割を果たします。」
看護師
「私が紹介した利用者は皆、このスクールに通うことで大きな利益を得ています。私が訪問した時はいつも、リラックスした雰囲気とともに、しっかりとした目的があります。参加されている方は、互いに尊敬の念を持って接し、自分自身であることを許されています。」
ソーシャルワーカー
記事引用元:Potsford Farm