画像引用元:“Depden Care Farm”
耕作放棄地の解消に向けたNPOの取り組みによる粗放的な農地管理
日本国内には約42.3万haの耕作放棄地があります。
耕作放棄地を解消することは農業振興につながるので安全で安定的な食糧確保が可能です。
さらに農村における集落機能の維持、環境面では多面的機能の発揮や地域資源の維持管理などの波及効果が期待できます。
2019年に発表された松岡氏の研究(耕作放棄地の解消に向けたNPOの取り組みによる粗放的な農地管理, J-stage)では、NPO活動を通じた農地管理の実態を調査し、どのような行動が効果的なのか考察しています。 ケアファームの運営に耕作放棄地の利用の可能性があります。 名古屋短期大学現代教養学科 松岡 崇暢氏の論文です。
研究ではまず研究対象のNPOを農地管理の活動内容をふまえて4つに分類する手法をとっています。
4つに分類したNPOのうち「直接型」はNPOが直接農業を行い、結果的に農地管理となる活動を指します。
ケアファームの活動に最も近い農業方式であり、「農福連携」による農地管理を行っています。
直接型では社会的に意義のある農福連携や継続的な農地管理の取り組みにより、地域の信頼と理解を得ていることが分かりました。
しかし労働力不足が発生しており、広大な農地管理は難しいことが明らかになりました。
この状況を打開するために自然農法や希少農作物の作付けなどによって付加価値を高めることを実施し、社会的メッセージを発信しています。
このような取り組みによって社会的に意義があると認められれば、継続的な活動を通じ、地域住民から信頼を得ることで次の展開が期待できます。
NPOによる「直接型」の農地管理は福祉や環境、耕作放棄地解消などの地域課題解決を中心に活動を展開しており、今後の日本のケアファームにおいても大きなヒントを与えてくれるでしょう。