画像引用元:“zhaw”
Ms. Lori La Bey 創設の Alzheimer’s Speaks Blog による、
エイロン・キャスピ博士による認知症患者がケアファームに参加することによる潜在的な治療効果その2です。
5. 多くの人々は農場育ち
そして庭仕事が好きで、ペットを飼うことを楽しんでいました。このような人々にとって、農場に戻ることは、幼い頃の生活からの自然な延長である可能性があります。認知症患者の多くは、病気になっても長期記憶が比較的そのまま残っています。ケアファームにいることで、その人の遠い過去(開かれるのを待っている宝箱)から大切な思い出を紐解くのを助けます。つまり、個人的に意味のある回想の機会が、自然と参加者に多く提供されることを意味します。農場の人が時間をかけてその人のライフヒストリーを知り、活用することで、この個人的な回想の癒し効果がさらに強まる可能性があります。
農場育ちではない、庭を持たずペットを飼ったことがない認知症患者でも、ケアファームに参加することを楽しみ、大きな恩恵を受けられることを強調しておきたいと思います。農業、園芸、動物を扱う仕事やペットを飼う経験のない人々は、農場を異国の地と感じ、不安を感じるかもしれません。そのため、ケアファームへの参加は、すべての認知症患者を対象としているわけではありません。個人レベルでの学際的評価が、その人がそのプログラムから恩恵を受けられるかどうかを判断するための鍵となります。評価は、その人がプログラムに参加している間、(一般的に、そして認知症の進行により引き起こされる変化のために)継続的に行う必要があります。
事例
あるアルツハイマー病の高齢者は、彼が住んでいるアパートで起こった、他の居住者との「攻撃的」行動のエピソードの3分の2に(通常はその行動主として)関わっていました。しかし、ペットセラピーのグループ活動中に鶏を腕に抱かせると、彼は明らかに満足し、感情的になりました(彼が農場で育った子供の頃の経験を思い出して共有すると、目に涙を浮かべました)。予防効果は明らかでした。彼はこの個人的に有意義な活動の間、「攻撃的」行動には出ませんでした。
7. 社会化や友情の自然な機会
農場の人や仲間と密接に協力して働くことで、社会化や(農場の人や仲間との)友情の、自然な機会を得られるかもしれません。これにより、社会的孤立や孤独感が緩和できます。さらに、様々な集団に同時にサービスを提供する多機能ケアファームでは、世代間のつながりのための素晴らしい機会を提供します。具体的には、様々な障害(学習障害や知的障害、自閉症、ダウン症、精神疾患など)を持つ若者(子供も含む)と、一般的な高齢者や認知症患者など、様々な利用者集団が混在しています。ただし、これらの条件やその他の条件それぞれに起因する特有の症状や課題があることを考えると、交流が前向きなものであり続けるためには、適切で、タイムリーで、注意深く、熟練した指導と監督が必要だということを強調しなければなりません(そうでなければ、状況によっては仲間の間に緊張感が発生する可能性があります)
8. 人道的アプローチ
認知症患者に対するケアファームの独特で個人的で人道的なアプローチは、ケアファームの成功の大きな部分を占めていると考えられています(マールテン・フィッシャー、個人的コミュニケーション)。認知障害やその他の障害があるにもかかわらず対等な関係を築くことで、自尊心や自信を維持するのに苦労し、雪崩のような喪失感に直面している人たちの人生に、力を与えることができるかもしれません。農場への貢献を心から感謝することで参加者はさらに責任を引き受けるようになり、それによって、参加者の自立心が強まる可能性があります。
認知症患者と一緒に仕事をしたり、介護をしたりする際には、緊密な信頼関係が唯一かつ最も重要な資産であることは言うまでもありません。同じ農場の人々と長い時間をかけて一緒に仕事をすることで、このような関係が強化され、互恵的な感覚や相互の評価が強化されます。
このような関係を築くためには、大部分の農場は認知症に特化した質の高いトレーニングを受ける必要があります。認知症と共に生きることの意味、効果的なコミュニケーション技術やアプローチ、有意義な活動に参加するための原則、様々な行動表現(攻撃的な行動を含む)を予防し、緩和するための心理社会的戦略、認知症に優しい物理的環境の様々な機能の知識と実現方法、安全性の問題などです。
近年の有望な傾向として、オランダでは、ヘルスケア分野の従業員や元従業員がケアファームを始めるケースが増えていることが挙げられます(例えばオランダでは、多くの場合、新しい農場ビジネスの発起人は、ヘルスケア分野のバックグラウンドを持つ一般の女性や農場の女性です)。
9. 活動と作業
認知症患者がケアファームでの様々な活動や作業に参加することは、計画的に実施された場合、様々な形態の行動表現を抑制し、肯定的な感情状態を促進する助けになることができます。例えば、不安感や「攻撃的」行動、向精神薬の使用の減少につながるかもしれません(向精神薬は大部分は効果がなく、多くの有害で危険な副作用があり、高価です)
記事引用元: Alzheimer’s Speaks Blog