カタツムリ農場で認知症の人を支援

カタツムリ農場で認知症の人を支援

画像引用元:“Depden Care Farm

カタツムリの養殖は、介護者が認知症の人と交流するためのユニークで新しい方法を提供しています。

南オーストラリア州南東部に位置するケアシップ・クーロンは、認知症などのソーシャルケアを必要とする人たちのためのソーシャルケアファームです。その名が示すように、ソーシャルケアファームのコンセプトは、社会的支援のために、働く場としての農場を治療の一環で利用することに基づいています。
参加者は農場のチームの一員となり、動物への餌やり、収穫、植え付け、水やり、フェンスのチェックなどの仕事を手伝います。
会長であり農場の運営者でもあるクラウディア・エイトトゥアティ氏は、農場での作業は認知症の人たちの生活に新たな意味を与えてくれると言います。

「認知症の方の役割に、これまでとは違った意味がもたらされます。患者や、介護を受ける人から農場での働き手へと変わっていくのです。」と彼女はコミュニティ・ケア・レビューに語りました。
ケアシップ・クーロンは、オーストラリア・ポストから資金援助を受けて認知症の人が農場で働くための「シルバー・トレイルズ・カタツムリ農場パイロット・プロジェクト」を実施しています。
このプログラムは認知症の人を対象としていますが、介護者も歓迎されており、認知症の参加者と同じように農場での時間を楽しんでいると、エイトトゥアティ氏は言います。
「サポートワーカーからのフィードバックは非常にポジティブなものでした。」
「私たちが奨励しようとしているのは、農場は職場であるということです。参加者は被介護者ではなく労働者なので、職場で使われるような言葉をできるだけ使うようにしています。」
「そのため、終業時間などを設けて、参加者が実際に働いているように感じ、地域社会に貢献していると感じることができるようにしています。」

 

常にあらゆる人のために働く

参加者は一日を農園や庭で作業をして過ごします。お昼には地元の学校の子供たちが農場を訪れて、ランチを準備してくれます。ランチの後には一緒にゲームやクイズをして遊びます。
農場での作業は、草刈りや化学薬品を使用する作業を除き、何でも参加者が行うことができます。
「作業が複雑ではないので、参加者は活動を楽しんでいます。ほんの少しの作業でも、体を動かすことになります。」とエイトトゥアティ氏は言います。
「カタツムリを良い状態に保つためには様々な作業が必要なので、常にやるべき作業があるのですが、機械はあまり使わないので、人が行うには最適な農作業です」 参加者は農場での作業を通して、認知症によって失われつつあった「社会的なつながり」を回復することができます。
日常生活に苦労している参加者の中には、カタツムリの声を聞くと心が落ち着くと感じた人もいると、エイトトゥアティ氏は言います。

「本当にカタツムリの声を聞くことができるとは思ってもみませんでしたが、ある朝座ってみたら、カタツムリが葉をむしゃむしゃと食べているのが聞こえてきて、これがカタツムリが好きなことなのかと、とても面白い発見でした。」
シルバー・トレイル・プログラムは、ケアファームが知的障害者のために現在実施しているプログラムの延長線上にあるもので、社会化や行動問題の改善に大きな効果がありました。
このプログラムには2人の若者が参加していました。彼らは学校にうまくなじめず、中退しようとしていました。
「彼らは1年間農場に来て、進路が少し変わりました。その後、二人とも学校に残り、無事卒業しました。」とエイトトゥアティ氏は言います。
現時点では、スタッフはすべてボランティアです。そのため、エイトトゥアティ氏は最終的には、スタッフに給料を支払い、プログラムをより確実に継続できるようにするための資金援助を受けたいと考えています。
「フルタイムで農場を運営するための給料に充てる資金が得られて、スタッフの都合の良い時に来てもらうことができるようになるといいなと思っています。そうすれば半日のプログラムをあちこちで開く必要がなくなりますから。」

記事引用元:Snail farm helps people with dementia

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