画像引用元:“Depden Care Farm”
ドイツでのケアファームの紹介です。ドイツでは、ケアファームが単なる治療の場としてではなく雇用や職業訓練の場として役立つ可能性が注目されています。
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ドイツのケアファーミング
ドイツの農業は、実際には、農業構造とその人口動態の環境が大きく変化していることが特徴です。農家はこのような変化に複数の方法で対抗しています。その一つが農業生産の多様化です。このような背景から、過去 10 年から 15 年の間に、特に家族経営の農家にとって可能性のある多様化戦略の一つとして、ケアファームへの関心が高まっています。
また、ソーシャルワークの分野においても、雇用、セラピー、職業訓練の「場」としての農業の可能性はますます好意的に受け止められています。ケアファームは、教育だけでなく自己啓発の場になり、治療も受けられます。ケアファームはまた、仕事をすることが負担にならない場所を作ることもできます(例えば、1 日 3 時間以上働くことができないけれども、支援された環境で働くことを望んでいる人々のための補助生活など)
現在ドイツでは、特別なニーズを持つ人々の就労機会を支援するための新しい資金調達方法が議論されています。
2017年に連邦参加法が適用されましたが、これは特別なニーズを持つ人々が職業生活に参加できるようにすることを目的としています。現在、ドイツの社会農業の専門家は、この新しい法律を利用して、障害者の雇用機会に焦点を当てた新しいケアファームのあり方について議論しています。
ケアファームは、様々な所有者や様々な組織の中で実践されています:慈善団体、独立した農場コミュニティ、単一農場、青少年福祉施設など。ケアファームには様々な顧客グループがあります。子供や若者から高齢者、知的障害者や身体障害者、ホームレスや薬物中毒者まで、様々な顧客層が存在します。
近年では難民もケアファームの顧客グループとなっています。ケアファームは特定の行政に一般的に割り当てられているわけではなく、特定の法律で規制されているわけでもありません。また、ケアファームをどのように扱うかは、16の連邦州が自分たちで決めることができます。
連邦政府の中にはケアファームを支持する州もあれば、ケアファームを支持しない州もあります。特にオランダやノルウェーのような国に比べて、ケアファーミングへの公的資金提供は稀です。連邦州政府は、むしろケアファームのコンセプトを広めることに重点を置いています。いくつかの連邦州では、ケアファームのコンサルタントが存在しています。
このような状況で、農家、セラピスト、ソーシャルワーカー、クライエント、支援を必要としている人たち、そしてその親たちは自分たちが率先して行動したいと考えていますが、クライエントのために適切な農場を探しているセラピストやソーシャルワーカーたちも不安感を拭きれません。ケアファームの専門分野は非常に新しいものであり、必要なスキルや能力を学ぶための正式な機会は今のところほとんどありません。
ドイツでは、ケアファームを定義するために、次のような言葉がよく使われています。”ケアファームは農業の多面的な視点を採用しており、販売可能な生産物に加えて、健康、雇用、教育、治療などを提供出来ます。農業は人々が食品の栽培や家畜との共同作業など、一日や一年の様々なリズムに参加する機会を与えてくれます。ケアファームには、身体的、精神的、感情的障害を持つ人々を統合する農業企業やマーケットガーデンが含まれます。社会的に不利な立場にある人、若年犯罪者や学習困難者、薬物依存症の人、長期失業者、活動的な高齢者のための求人を提供している農場なのです。病気の予防、包摂、生活の質の向上はケアファームの特徴です」(Van Elsen & Kalisch, 2008)。
記事引用元:sofaredu.eu