高齢者住宅

外国人実習生を受け入れてみて

外国人労働者の増加

私の住む地域では、以前は外国人労働者を見る機会は多くありませんでしたが、最近ではコンビニエンスストアや飲食店など多くの場所で、外国人労働者を見る機会が増えています。介護現場でも同様に、外国人労働者が働いている法人が増えており、2020年には医療・福祉分野における外国人労働者は全国で4万人を超えたという統計があります。(大和総研「コロナ下でも、外国人介護人材は増加」)

外国人労働者の働き方には技能実習制度や特定活動などがあり、不足する労働力確保のために、さまざまな制度で外国人が働きやすい環境が整えられているようです。

介護職における外国人労働者

ご存じの通り介護職員は、2025年度には32万人、2040年度には69万人が不足すると言われており、不足する介護人材の担い手として外国人労働者への期待も小さくありません。

私が働く特別養護老人ホームでも、フィリピン生まれの女性が介護職員として活躍してくれています。その介護職員は日本に住んで十数年経っており、会話やコミュニケーションはもちろん、介護技術についても申し分ありません。読み書きが少し不得手ですが、周りの介護職員もできること・できないことを理解しているため、上手くチームに溶け込んで、しっかりと業務をこなしてくれています。

知人が働く介護施設では、ヨーロッパ出身の介護職員を雇っていたそうですが、自己主張が強い姿勢などから周りの介護職員と軋轢が生じ、退職に至ったケースがあったと聞きました。介護にはチームプレイが必要なため、文化の違いなどが残念な結果につながったケースです。外国人労働者に働いてもらう上では、現場の介護職員の理解や受け入れる覚悟が絶対に必要だと感じます。

 

外国人実習生の素晴らしさ

介護系専門学校の中には、日本人学生が集まらず閉鎖する学校や、外国人学生にシフトする学校も出てきています。先日、専門学校から外国人実習生が施設に現場実習のためにやってきました。東南アジア出身の男子学生と女子学生でしたが、現地で2ヶ月ほど日本語を学び、その後に来日されて日本語学校に通ってから介護を学んでいると聞きました。

驚かされたのは、びっくりするほど日本語が流暢なことと挨拶やマナーがしっかりしていたことです。「うちの施設の若い職員より、よっぽどしっかりしていますね…スグにでも働いてもらいたい…」などと職員と話すほど、立派な学生でした。

考えてみれば、日本人の中に流暢に二ヶ国語を話すことができる人がどれくらいいるでしょうか。遠い外国で、日本語を学び介護を学びアルバイトをしながら生活する、彼らの本気度は見習うべき点がたくさんあると感じます。

 

幅広い人材に支えられる介護業界

数年前、「安い労働力として外国人労働者を探したらどうか」と言っていた年長の方がいました。その時には「日本の賃金が高く、外国人が『働かせてもらいにやってくる』という考えは間違っているのではないか、既に日本の介護職の優位性は決して高くないと思う」と上申しました。現在、介護職員の給与は処遇改善加算等で強制的に賃金改善が図られた以外は足踏み状態です。今後も外国人労働者が日本の介護職を担ってくれるかはわかりません。

外国人労働者を雇うことは、コミュニケーションの難しさや文化の違いなどから難しい面もあります。でも、それは日本人の職員であっても同様です。介護職員の平均年齢が上がっていると言われており、親子どころかベテラン職員から見て孫世代の介護職員も同じ仕事をする場合があります。今回、外国人実習生を受け入れて、外国人労働者に限らず、若手からベテランまで、幅広い人達が支えないと介護業界は維持できないのではないか、そんなことを考えました。

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